小・中学校の先生として長年、教育に携わってきた池田聡子さん(みんなの学校)をゲストに迎え、教育「10代と考えるこれからの教育」をテーマにお話を聞きました。

公立の学校には「良さ」もあるけれど、どうしても決まった枠に子どもたちをはめなければならないことに「辛さ」を感じていたそうです。そして、ご自分のお子さんが、公立の学校に入ったら「この子の良さが失われてしまうのでは?」と思い、自分で「みんなの学校」を立ち上げました。

みんなの学校がめざすのは「一人ひとりが、その子らしい個性を生かして、自分の力を生き生きと発揮していける姿」、「相手のことも尊重し、ともに生かし合う喜び」です。

始めてみたら、池田さんの想いに共感する保護者や学校に行くのが辛い子どもたちが集まってきました。求められている場所だったのです。そして協力してくれる創造性豊かな大人たちも集まってきました。

みんなの学校に来る子どもたちは、安心して自分らしい歩みで学べる環境を得てどんどん力を発揮するようになります。そして、池田さんは「将来自分で自分の人生を創造していける人を育てる」ため5教科以外に、頭・心・体にバランスよく働きかけることが大切と言います。そのため、ヤギと触れ合ったり、川で遊んだり、ものづくりや料理なども取り入れてきました。

後半のブレイクアウトセッションでは、特に若い世代から今の教育への疑問がたくさん出ました。「思春期の中学時代こそ、一人ひとりの個性を認めて!!」、「親の願いや理想と、子どもの願いや気持ちに、ギャップがあるから辛くなる」など。

公立学校だけでない学校を選択できる自由が必要で、選択の幅と自由が子どもの個性を生かすことにつながるのではな?
また、長い期間学習しているにもかかわらず英語を話せるようになれない日本の教育のありかたに疑問を投げかけた高校生もいました。
本当に身につく学びをどう作っていくのか?教育する側=大人の視点やあり方が問われています。

また、大人の立場からも「今の教育現場ではみんなと同じことをすべきとなりがちで、それがむずかしい子のために個別の対応をしたくてもできず歯がゆい」という声もあり、なかなか一筋縄ではいかないようです。

呼応するように「若い世代がもっと政治に参画して教育を変える立場にならないと」という頼もしい意見もありました。

講師のお話やグループセッションの内容は、大人は当たり前と思ってしまっていても実は当たり前ではないこともたくさんあり、若い人たちからの素朴な疑問や意見を投げかけられて「ハッ」とすることも多々ありました。今後も老いも若きもみんなでSDGsを学ぶ機会を作っていきたいと思います。